※この記事にはプロモーションが含まれています。

脂肪肝や心不全を引き起こす異所性脂肪とは?

2011年7月9日の「世界一受けたい授業」で、異所性脂肪についての話がありました。
お話してくれた先生は、異所性脂肪研究の第一人者、東京医科歯科大学教授の小川佳宏先生です。

異所性脂肪というのは、皮下脂肪や内臓脂肪とも違う、第三の脂肪で、
痩せている人でもたまることがあり、放置しておくと
脂肪肝や心不全を引き起こす要因になることもある恐ろしい脂肪なんです!

最近、NASHという、高脂肪・高カロリー食が原因で移植性脂肪がたまることでなる病気があるのですが、日本で約150万人いるといわれています。

これがそのまま悪化すると、組織の中に繊維が出来て、
それが肝硬変や肝がんのような、取り返しのつかない病気になりかねません。

異所性脂肪と皮下脂肪、内臓脂肪との違い

食べ物を食べると、それを脂肪として体にため込みますが、
異所性脂肪、皮下脂肪、内臓脂肪の違いは、脂肪がたまる場所です。

皮下脂肪は、お腹の周りやわき腹にたまる脂肪です。
腹筋、筋肉の外側にたまるので、お腹の部分でたっぷりつまめるのは、皮下脂肪なんです。
女性は妊娠した時に胎児を守るためにも、皮下脂肪がつきやすくなっています。

内臓脂肪は、大腸や小腸の周りなど、臓器の周辺にたまる脂肪です。
見た目では分かりにくいのですが、お腹がぷくっと出ている場合は内臓脂肪が多いということが言えます。

異所性脂肪は、脳以外の肝臓・筋肉・血管などに蓄積する脂肪です。
大事な臓器の中に脂肪がたまると、脂肪の毒性の影響を直接受けることになるので、
あらゆる病気を引き起こす可能性があるわけです。

いろいろな場所に少しずつたまるので、図では表しにくいのですが、
下の図は心臓にたまった異所性脂肪です。
左が健康な心臓、右が異所性脂肪のたまった心臓です。
紫の部分が異所性脂肪で、この脂肪が心臓へ余計な負担をかけています。

皮下脂肪、内臓脂肪は、ためられる容量の限界がある

脂肪をためられる容量は限界があります。
カロリーの高い物を食べていくと、まず最初にたまりやすいのは皮下脂肪です。

しかし、そこが容量いっぱいになると、次にたまりやすいのは内臓脂肪です。
皮下脂肪としてためるところがいっぱいになると、内臓のまわりがたまりやすくなります。

そして内臓脂肪もいっぱいになると、異所性脂肪がたまりはじめるわけです。

太り続けるとこのような傾向をたどりますが、必ずしもこの順序ではありません。
痩せているからといっても移植性脂肪と無関係ではないのです。
普段から不摂生なのに痩せている方は、皮下脂肪がたまっていなくても
異所性脂肪がたまっている可能性があります。

また、女性は皮下脂肪、男性は内臓脂肪がたまりやすいと言われていますが、
男性が内臓脂肪がたまりやすいのは、皮下脂肪の容量が女性より少ないからです。
妊娠・出産のある女性は、皮下脂肪で体や胎児を守れるように、皮下脂肪をためやすくなっているからです。

移植性脂肪を劇的に減らす方法とは?

移植性脂肪を減らす方法で、一番良いのはやっぱり運動です。

異所性脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪と違って、
短期間の運動をするだけで量が劇的に減るのがわかっています。
例えば、1時間のランニングで、筋肉中の血管にある40%の異所性脂肪が減ったという研究結果もあります。

では、それをどのようにして測るか?というと、ある目安があるんです。
それがメッツ・hという指標。

メッツ・hは、1時間何かを行った時の身体活動の強度を表す単位で、
運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍にあたるかを示します。
座って安静にしている状態が1メッツ・hです。

異所性脂肪を減らすためには、1週間に23メッツ・h必要です。

これは、必ずしもスポーツや筋トレ、エクササイズの運動に限りません。
日常生活でもメッツ量が得られますので、ある程度目安の数値を知っておけば、
普段の生活で意識して異所性脂肪を減らすことができます。

例えば、運動や日常生活ではこのようなメッツ量が得られます。
以下は、1時間行った時に得られるメッツ量です。

  • ギター演奏・・・2メッツ・h
  • 釣り・・・2.5メッツ・h
  • ヨガ・・・・2.5メッツ・h
  • 荷物の積み込み・・・3メッツ・h
  • 階段の上り下り・・・・3.5メッツ・h
  • 散歩・・・3.5メッツ・h
  • 掃除・・・・4メッツ・h
  • 筋トレ・・・4メッツ・h
  • 卓球・・・・4メッツ・h
  • バトミントン・・・4.5メッツ・h
  • 草むしり・・・4.5メッツ・h
  • バレエ・・・・4.8メッツ・h
  • ドッヂボール・・・5メッツ・h
  • エアロビクス・・・6.5メッツ・h
  • テニス・・・7メッツ・h
  • サッカー・・・7メッツ・h
  • ラグビー・・・10メッツ・h

筋トレの場合、激しく動くのはごく一瞬なので、
メッツ量を得たい場合は、自転車を漕ぐといった有酸素運動の方が効率よくメッツを獲得できます。


今まで、脂肪のことについては医学的に解明されていなかったのですが、
医学の進歩でこれまでよくわからなかった脂肪がわかるようになってきています。

今回紹介した異所性脂肪も最近になってわかってきたことで、
その脂肪によって生活習慣病が発症するという仕組みが明らかになってきているそうです。

脂肪のことを知って、本当にわずかな心がけだけでも致命的な病気を予防できる可能性がありますし、
理想の体型だけでなく、健康で豊かな人生を送ることにも役立てられます。

ぜひ日常生活からメッツ量を意識し、健康に役に立ててみて下さい^^

コメントを残す

コメント認証 * Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.

このページの先頭へ